口裂け女とは?弱点・正体・対処法・発祥を完全解説【都市伝説】
- 発祥 1979年
- 岐阜県
- 昭和の都市伝説
- 弱点:ポマード
- 「私、きれい?」

1979年、日本中を震撼させた都市伝説。「私、きれい?」の問いかけの真相、ポマードが弱点の理由、なぜ口が裂けたのかまで、すべてお答えします。
口裂け女とは?基本情報
口裂け女 基本データ
私、きれい?
口裂け女の決まり文句
1978〜1979年
岐阜県
マスクで口を隠した若い女性
ポマード・べっこう飴
100mを3〜6秒
都市伝説(日本初の純粋な都市伝説)
怖さレベル88 / 100
日本最恐クラスの都市伝説
口裂け女(くちさけおんな)は、1979年に日本中を震撼させた都市伝説です。マスクで口元を隠した若い女性が通学路に現れ、「私、きれい?」と尋ねてきます。どう答えても恐ろしい結末が待っている——そんな「逃げ場のない問いかけ」が子どもたちの間で爆発的に広まりました。
1978〜1979年
岐阜県
「私、きれい?」
ポマード / べっこう飴
100mを3〜6秒
都市伝説
怖さレベル88 / 100
日本の都市伝説で最も有名かつ社会現象化した事例
国学院大学准教授の飯倉義之は、口裂け女を「日本初の純粋な都市伝説」と評しています。妖怪や幽霊ではなく「マスクで口を隠した、ただの人間の女性」として語られたことが特徴で、「ありえる」からこそ多くの人が信じ、社会現象にまで発展しました。
1979年当時はインターネットが存在しない時代。にもかかわらず、小中学生の口コミだけで数ヶ月のうちに全国47都道府県に広がったとされています。パトカーが出動し、集団下校措置が取られ、模倣犯が逮捕される事態にまで発展しました。
見た目・特徴・セリフ
口裂け女の外見
口裂け女の特徴
- ▸マスク:口元を完全に覆う大きなマスク。外すと口が耳元まで裂けている。
- ▸服装:赤いコート、トレンチコートにパンタロンなど。赤いスポーツカーに乗っている説もある。
- ▸凶器:鋏(はさみ)や包丁を持っている。鎌やメスという地域もある。
- ▸走力:100mを3〜6秒(地域により異なる)。人間では逃げ切れない。
- ▸出現時間:主に夕方〜夜。学校帰りの通学路に現れることが多い。
「私、きれい?」の展開パターン
口裂け女の最大の特徴は、「私、きれい?」という問いかけです。どう答えても恐ろしい結末が待っているのが、この都市伝説が広まった最大の理由です。
| あなたの回答 | 口裂け女の反応 |
|---|---|
| 「きれい」 | マスクを外し「これでも…?」。なおも「きれい」と答えると口を裂かれる |
| 「きれいじゃない」 | 包丁や鋏で斬り殺される |
| 「ふつう」 | 困惑して動けなくなる。その隙に逃げられる(京都で流布) |
| 「きれい」と言い続ける | 赤面するので隙に逃げる。ただし口を裂かれる説もあり |
| 「かわいい系かな」 | 喜んで見逃してくれる(近年のネット上の新説) |
地方ごとのバリエーション
都市伝説は口コミで伝播するため、地域ごとに内容が変化しています。徳島では「赤いセリカに乗って現れ『私の目はきれい?』と尋ねる」、愛媛では「『美人ですか?』と尋ね、答えない相手を包丁で刺す」など、セリフや行動パターンが異なります。
走力についても、100mを6秒(標準説)、3秒(宮城県)、9.9秒(山形県)、12秒と地域によってバラバラ。いずれにせよ「走って逃げても追いつかれる」設定は共通しています。
なぜ口が裂けたのか
口裂け女がなぜ口が裂けているのかについては、複数の説が存在します。いずれも確定的な「正解」はなく、伝承のバリエーションとして語り継がれています。
説1:整形手術の失敗(最有力)
三姉妹が美容整形手術を受けたが、末の妹だけ手術が失敗し、口が耳まで裂けてしまった。成功した姉2人への嫉妬から精神に異常を来たし、マスクで口を隠して街を徘徊するようになったとされる。
説2:交通事故
三姉妹が交通事故に遭い、2人は死亡。生き残った1人は口を大きく損傷した。その悲しみと怒りから口裂け女になったとする説。
説3:美濃加茂市の事故
1977〜78年頃、岐阜県美濃加茂市で事故により搬送された女性が顔面を損傷し、ショックで病院を脱走したことが噂の発端になったとされる。
説4:嫉妬による傷害(海外版で主流)
英語圏では「不貞の妻が侍の夫に口を裂かれた」という設定が最も広く語られている。日本の伝承とは異なる海外独自の解釈。
最も広く語られているのは「整形手術の失敗」説です。1970年代後半は美容整形への社会的な関心が高まっていた時期であり、「美しくなりたいという欲望が裏目に出る」という物語は当時の空気を反映しているとも言えます。
発祥・元ネタ・年表
口裂け女の噂は1978年12月ごろ、岐阜県で発生したとされています。ただし、それ以前にも類似の噂が存在していた可能性が指摘されています。
口裂け女の発祥年表
- 1754年(宝暦4年)
美濃国郡上藩の郡上一揆。怨念が妖怪伝説になったとする説がある。江戸時代の怪談集にも口が裂けた妖怪が登場する記録あり。
- 1968年8月18日
飛騨川バス転落事故。岐阜県で104人が犠牲になった日本最悪のバス事故。現場付近で発見された白骨死体の復顔が口裂け女に似ていたという都市伝説が後に生まれる。
- 1973年頃
岐阜県で上級生から口裂け女の話を聞いたという証言がある(最古級の証言)。
- 1977年11月
CBCラジオの番組で口裂け女が紹介される。岐阜・愛知ではすでに広まっていた可能性。
- 1978年12月
岐阜県(八百津町または本巣郡真正町)で噂が本格的に広がり始める。
- 1979年1月26日
「岐阜日日新聞」が口裂け女を報道。マスコミ初出とされる。
- 1979年春〜夏
全国的に大流行。パトカー出動(福島・神奈川)、集団下校措置(北海道・埼玉)が実施される。『週刊朝日』でも特集が組まれる。
- 1979年6月
姫路市で25歳の女性が口裂け女に扮装し包丁を持って徘徊、銃刀法違反で逮捕される。
- 1979年8月
夏休みに入り子供の口コミが途絶え、噂は急速に沈静化。
- 2000年代〜
インターネットを介して海外にも伝播。韓国・台湾・英語圏で独自のバリエーションが生まれる。
- 2007年
映画「口裂け女」公開。佐藤江梨子主演。
- 2020年代
漫画「ダンダダン」などの作品で再び注目を集める。コロナ禍のマスク社会との親和性も話題に。
飛騨川バス転落事故との関係
1968年の飛騨川バス転落事故は、岐阜県で104人が犠牲になった日本のバス事故史上最悪の惨事です。事故現場付近の川底から事故以前に遺棄されたと思われる白骨化した頭部が発見され、復顔したところ口が耳まで裂けていた——という話が口裂け女の正体として語られることがあります。
ただし、この話は事実として確認された記録がなく、あくまで都市伝説の域を出ません。事故と口裂け女の噂が同じ岐阜県であることから、後から結びつけられた可能性が高いとされています。
弱点・対処法
口裂け女の対処法フローチャート
- 「ポマード」と3回唱える
最も有名な対処法。口裂け女はポマードの匂いが苦手とされ、唱えるだけで怯むという。手に「ポマード」と書いて見せる、瓶を投げつけるなどのバリエーションもあり。
- べっこう飴を渡す
好物のべっこう飴を与えると、夢中で舐めている隙に逃げられる。ただし関東では逆に「嫌いなので投げつけると怯む」という説も。
- 「ふつう」と答える
「きれい」でも「きれいじゃない」でもなく「ふつう」と答えると、口裂け女は困惑して動けなくなる。その隙に全力で逃げる。
- にんにくを持つ
仏教の六波羅蜜「忍辱(にんにく)」の字の功徳で守られるとされる。
⚠ 注意:一部の説ではポマードと唱えると逆に怒らせてしまい殺されるとも言われています。対処法もまた都市伝説です。
なぜポマードが弱点なのか?
口裂け女の弱点として最も有名な「ポマード」。なぜポマードなのかについても、いくつかの説が存在します。
説1:整形手術の執刀医説(最有力)
口裂け女の口が裂けた原因である整形手術の執刀医がポマードをつけていた。そのため、ポマードの匂いを嗅ぐとトラウマが蘇り怯むとされる。
説2:角南攻の考案説
当時のヤングジャンプ副編集長・角南攻が、ラジオ局と協力して「ポマードと唱えると逃げる」という設定を考案・伝播させたとする説。
説3:日本神話(イザナギ)説
イザナギが黄泉醜女(よもつしこめ)から逃げる際、髪飾り(=整髪料→ポマード)と櫛(=鼈甲→べっこう飴)を投げて撃退した神話がイメージソースとする考察。
地域特有のユニークな対処法
全国に広まる過程で、各地で独自の対処法が生まれました。千葉県我孫子市では「べっこう飴5個なら喜び、金平糖5個なら逃げ出す」という細かい設定が。福岡県では「スペースインベーダー好きで、百円玉を投げると必死に拾おうとする」という時代を感じる対処法も語られていました。
正体・モデルの考察
口裂け女の「正体」については、複数の有力な説が語られています。いずれも断定はできませんが、噂が生まれた背景を理解する手がかりになります。
精神疾患の女性(大垣市)
美容整形失敗の被害者
塾に行かせない方便
信楽の「おつや」
説1:精神疾患の女性説
ジャーナリスト朝倉喬司の調査によると、初期の噂では口裂け女の正体が「精神病院からの脱走者」として語られていました。1970年代に大垣市で座敷牢に閉じ込められていた女性が夜ごとに外出し、口紅を顔の下半分に塗りたくっていた姿が目撃されたことが元になったとされています。
説2:美容整形失敗の被害者説
整形手術の失敗で顔に傷を負った女性が各地で口裂け女として語られたという説です。1970年代後半に美容整形が急速に広まった時代背景とも一致しています。
説3:塾に行かせない方便説
岐阜県では裕福な家庭の子だけが塾に通えた地域があり、経済力のない家庭が子供に塾通いを諦めさせるため「夜道に口裂け女が出る」と噂を流したとされる説もあります。
説4:信楽の「おつや」説
明治時代に滋賀県信楽に実在したとされる女性「おつや」がモデルとする説。恋人に逢うため白装束に白粉を塗り、三日月型の人参を口に咥え、鎌を持って峠を越えた姿が口裂け女の原型とされています。ただし一次資料での確認は困難です。
どこにいるのか
口裂け女は特定の場所に固定されていません。八尺様のように地域に封印された存在ではなく、「どこにでも現れうる」ことが恐怖の本質です。
出現場所の傾向
- ▸通学路:最も典型的な出現場所。学校帰りの子供が一人で歩いている場面。
- ▸夕方〜夜の薄暗い道:人気の少ない住宅街や路地。
- ▸トンネル:多治見市のトンネル(心霊スポット)での目撃談など。
- ▸赤いスポーツカーの中:1979年以降の追加設定。車に乗って現れる説も。
発祥地は岐阜県ですが、1979年の大流行時には全国47都道府県に広がったとされています。北は北海道釧路市でパトカーが出動し、南は鹿児島まで目撃談が存在しました。
現在でも口裂け女が「実在する」と信じている人はほぼいませんが、令和のマスク社会では「今そこにいる誰かが口裂け女かもしれない」というリアリティが逆に高まっているとも指摘されています。
なぜ「かわいい」と言われるのか
検索キーワードで上位に入る「口裂け女 かわいい」。恐怖の存在であるはずの口裂け女が、なぜ「かわいい」と言われるのでしょうか。
二次創作での人気
口裂け女は二次創作コミュニティで非常に人気が高く、pixivやTwitterでは「マスクを外した口元を恥ずかしがる女の子」「実は寂しがり屋」といった独自の解釈が多数投稿されています。恐怖の対象がキャラクター化され、親しみやすい存在に変換されています。
ダンダダンでの描かれ方
龍幸伸の人気漫画「ダンダダン」では、口裂け女をモデルにしたキャラクターが登場します。当初は恐怖の妖怪として描かれますが、主人公が弱点の「ポマード」を唱えて撃退するなど、恐怖とユーモアが同居する描写が人気を博しています。
同キャラクターは後に美しい女性の姿に変貌し、恋をしたくなって旅に出るという展開も。「恐怖の怪異と恋する乙女のギャップ」がファンの心をつかみ、「かわいい」イメージの定着に大きく貢献しました。
「恐怖のキャラクター化」という現象
口裂け女に限らず、日本では恐怖の対象をキャラクター化して消費する文化があります。貞子がCMに出演し、八尺様がファンアートで美少女化されるのと同じ現象です。口裂け女は「マスクの下に口が裂けている美女」という設定自体が、ギャップ萌えの構造を持っているため、特にキャラクター化との相性が良いとされています。
よくある質問(FAQ)
口裂け女は実在するのか?
口裂け女は都市伝説であり、実在を示す証拠はありません。ただし1979年には模倣犯が実際に逮捕されており、「口裂け女に扮した人間」は確かに存在しました。初期の口裂け女は超自然的存在ではなく「何らかの事情で口が裂けた、ただの人間の女」として語られていた点が特徴です。
口裂け女は英語で何と呼ばれている?
英語では「Kuchisake-onna」または「Slit-Mouthed Woman」と呼ばれています。英語版Wikipediaにも独立記事があり、海外の妖怪専門サイトでも紹介されるなど、日本の都市伝説としてはトップクラスの知名度を持っています。
口裂け女の映画は何作ある?
日本では2007年公開の「口裂け女」(佐藤江梨子主演)をはじめ、続編「口裂け女2」なども制作されています。さらに「口裂け女 in L.A.」という米国キャストの作品や、2019年の日韓合作映画「ゴーストマスク~傷~」もあります。映画としても繰り返し取り上げられる人気テーマです。
口裂け女 vs ひきこさん、どちらが強い?
ネット上では「口裂け女 vs ひきこさん」「口裂け女 vs 青鬼」「口裂け女 vs カシマさん」など、都市伝説キャラ同士の対戦が人気の話題です。これは公式設定ではなく、二次創作やファンの考察によるものです。口裂け女は走力が突出している一方、ひきこさんは「引きずる」という攻撃手段を持つため、ファンの間でも決着がつかない定番の議論です。
「きれい」と言い続けたらどうなる?
説によって結末が異なります。「赤面して照れるので隙に逃げられる」という説と、「何度きれいと言っても口を裂かれる」という説が併存しています。地域や語り手によって結末が変わるのも、口コミで広がった都市伝説ならではの特徴です。
口裂け女は妖怪なのか?
厳密には妖怪ではなく「都市伝説」に分類されます。伝統的な妖怪は民間伝承から生まれたものですが、口裂け女は1970年代後半の口コミから誕生した近代の存在です。ただし、江戸時代の怪談集に口が裂けた妖怪の記録があることから、広い意味では妖怪文化の系譜に連なるとも言えます。
韓国にも口裂け女はいる?
韓国では「赤いマスクの女(빨간마스크)」として独自に発展しています。「お前の血液型は何?」と問い、血液型によって切り裂かれ方が異なるという韓国独自のバリエーションがあります。2019年には日韓合作映画も公開されました。
口裂け女はなぜマスクをしている?
裂けた口を隠すためです。マスクの下に恐怖が隠されているという構造が、「身近にいるかもしれない」というリアリティを生みました。コロナ禍以降、誰もがマスクをする現代社会では「隣の人が口裂け女かもしれない」という新たなリアリティも指摘されています。
呪術廻戦に口裂け女は登場する?
「口裂け女 呪術廻戦」は検索される組み合わせですが、呪術廻戦に口裂け女そのものが直接登場するわけではありません。作品に登場する呪霊の中に口裂け女を連想させるデザインがあることから、ファンの間で関連が語られることがあります。
口裂け女は怖い?現代でも通用する?
1979年当時は社会現象になるほどの恐怖を生みましたが、現代の子供は知らない人に話しかけられたら逃げるよう指導されており、口裂け女の定番シナリオ(会話)自体が成立しにくくなっています。ただし、都市伝説としての完成度の高さは現代でも色あせず、エンターテインメントのキャラクターとして根強い人気を持っています。
この記事のまとめ
- 口裂け女は1978〜1979年に岐阜県で生まれた「日本初の純粋な都市伝説」
- 「私、きれい?」と問いかけ、どう答えても恐ろしい結末が待っている構造が特徴
- 弱点は「ポマード」と「べっこう飴」。整形手術の執刀医がポマードを使っていたという説が有力
- 口が裂けた理由は「整形手術の失敗」が最も広く語られている説
- 1979年にはパトカー出動・集団下校・模倣犯逮捕と社会現象に発展
- 正体の有力説は「精神疾患の女性」「整形失敗の被害者」「塾に行かせない方便」など複数
- 海外でも「Slit-Mouthed Woman」として知られ、韓国では独自のバリエーションに発展
- ダンダダン等の作品で再注目され、「かわいい」キャラクターとしても人気
- コロナ禍のマスク社会で「今そこにいる誰かが口裂け女かもしれない」という新たなリアリティも
- 映画は2007年の佐藤江梨子主演作をはじめ、国内外で複数の作品が制作されている
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🎬映画「口裂け女」(2007)佐藤江梨子主演
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